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2020-07

1240話 こまつ座公演「イヌの仇討」 - 2020.01.24 Fri

 名演1月例会で、こまつ座公演「イヌの仇討」を観ました。
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出演者)
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(注:三田和代さんは体調不良のためお休みで、西山水木さんが代役を務められました)
吉良上野介:大谷亮介
大須賀治部右衛門:田鍋謙一郎、清水一学:植木純米
榊原平左衛門:俵木籐汰
お吟さま:彩吹真央
お三さま(女中頭):西山水木、砥石小僧新助(盗人):原口健太郎
おしの:尾身美詞、おしん:大手 忍
牧野春斎(茶坊主):石原由宇

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どんなはなし)
 変なタイトルですが、赤穂浪士討ち入りの話です。
 ただし、赤穂浪士側ではなく、吉良上野介側に密着したかたちの演劇となっています。
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 討ち入りの当日、すでに吉良上野介と側近が、物置に隠れているところから始まる。

 上野介が逃げ込んでいる物置に、「お犬様」も連れられている。なにせ犬公方様からの拝領ものですから。

 すこし落ち着いたところで、上野介の疑問が広がる。「なんで私が討たれなきゃならないの」「そもそも、悪いのは浅野でしょ」みたいな・・・
 そこから謎解きが始まる。
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 賄賂が少なかったのでいじめた説、製塩で競合説、パワハラ説、いずれも明解に、あり得ないことが示される。

 結局は、刃傷事件の原因は、浅野内匠頭の精神障害が主因という見立てだ。
 ここまでは、今日の定説となっているが・・・

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 井上ひさしは、そこから一歩深堀をする。
普通の忠臣蔵には絶対登場しない「泥棒さん」や「お犬様」など、物置に逃げ込んだ多くの登場人物を使って。

 なぜ、私(吉良)は嫌われたのか
「そもそも、生類憐みの令や、経済政策の失敗により、幕府への不満が高まっていた」
「松の廊下事件の処分が不公平とみなされ、不満の対象である権力側・将軍側(の犬)とみなされた」

 大石は、なぜ私(吉良)を討ちたいのか
「なんら実利がないはずだ」

 そこで私(吉良)は気がついた
「大石がやりたいのは、将軍への仕返しだ」
「私(吉良)は、将軍の身代わりだ」「私を殺すことで、将軍のメンツをつぶすことができる」

 私(吉良)自身、屋敷を郊外に移されるなど、将軍から見放されたようだ。こうなれば、大石のたくらみに乗ってやろう。

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稽古風景)
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感想)
 ともかくマシンガントークの連続です。チョット噛んでも芝居が成立しません。役者さんの技量に脱帽です。
 さらに、物置の中だけという、動きにくい、厳しい設定で、音声情報と、視覚情報のバランスがおかしくなりそうなところを、お犬様や茶坊主、泥棒が風穴をあけて演劇の世界に連れ戻してくれました。
 観ているときよりも後になって、じわじわと感動が湧いてくるような演劇です。(落語にもありますが)
 一方で、一人芝居とは言いませんが、もっと出演者を減らし、小さな劇場で観てみたい気もしました。

1230話 劇団チョコレートケーキ公演「あの記憶の記録」 - 2019.11.27 Wed

 劇団チョコレートケーキ公演の「あの記憶の記録」を観ました。
 場所は、名古屋市東文化小劇場というところで、地下鉄名城線の「ナゴヤドーム前矢田」駅に直結していて、屋根のある通路を歩いていけばたどり着けます。ただし、案内表示を見逃さないように。(スマホを忘れたので、画像無しです)ざっくり言えば、ナゴヤドームへ行く途中にあります。

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 あの記憶というのは、アウシュビッツ強制収容所に入れられていたときのもので、記録は、それから25年後、その記憶を記録したいという女教師の活動を指します。
 記録の目的は、ショア(ホロコースト)を、知らない世代や、それを免れた人々とともに、イスラエル人共通の歴史(神話)として語り継いでいき、国民としての団結を強めたいということです。

 教え子の父親がポーランド出身ということを聞き、ぜひ経験を聞きたいという教師に、父イツハクは、はじめ強く拒んでいたのですが、何日もかけて徐々に過去を話し始めます。
 彼は、単なる収容者ではなく、特殊任務をさせられていたのです。それは、ガス室まわりの作業で、死体を焼くだけでなく、衣類を剥いだり、髪の毛を刈ったり、金歯を抜いたり・・・


 それらを聞いた家族は・・・
 ナチス軍の亡霊も登場・・・


感想)
 イスラエル人教師の思いを聞いていたら「プロパガンダ」という言葉が浮かんできて、消えません。
 もともと、ナチス政権が徹底して行ったことですが、25年を経て、ユダヤ人の国イスラエルでも同じことをしています。

 被害の記憶を「神話」にしようとする動きは、あちこちの国に見られます。

 ゆる~いつながりの住民を、ときには命を差し出せと言ってくる国というかたまりにまとめるため、神話作りが重要です。
オリンピックも、お祭りも、各種国際試合も神話になります。大きな儀式も・・・

 この演劇では、命までは差し出すなというイツハクと、その兄アロンの言葉が、キーになっています。
 所詮、神話は神話です。

 全員が、最初から最後までピンと張りつめた感じで、最後の最後で、やっと、ほっとできるかどうかといった力演・熱演でした。もちろん、ほとんど独演会のような長台詞のイツハク役「岡本篤」さんの演技は、感動ものです。新劇の原点をみる思いがしました。


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「わても散歩にチカラ入ってます」

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日没間際の紅葉記録

1228話 大阪「驚異と怪奇」、「ラファエル前派の軌跡展」 - 2019.11.21 Thu

 一応、病人みたいなものですが、共同生活者に引っ張られて、大阪へ物見遊山にやってきました。
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 周りがスッキリして、塔の存在感が増しましたね。歩き出しそうです。

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 横から見ると、凡人にはできない造形だということが、よくわかります。

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 裏は、ブラックな太陽か? 進歩のもたらす暗部?
 この日は入場無料。人の列が続く。


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 野外イベントも開催中でした。我々は、別の場所で、ハーゲンダッツの安納芋ミックスのソフトクリームをいただきました。芋っぽく無く、優しいおいしさでした。

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 一番の目的はここ、国立民族学博物館の「驚異と怪奇」企画展です。

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 (撮影可能スポットにて)

 良かったのは、妖怪とされてきたものを、いくつも実際に見ることができたことです。それらは、いろいろな動物のパーツを組み合わせて作られてていることが、X線写真などで示されていました。
 海外の祭りの飾りや被り物なども沢山展示されていて、人がどんな形態に恐れを抱くのか、共通点があるような気がします。

 それはともかく、メッチャ疲れました。妖怪がついてきたかな。


 そとに出ると、博物館前の木すら妖怪にみえましたよ。
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 宿泊したホテルの中のドレス屋さん。夜、通りすぎて気味悪かったのは、女の人の怨念がこもっているから?
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 ホテルの部屋(20階)からの夜景
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 翌日は、あべのハルカス美術館での「ラファエル前派の軌跡展」
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 そして、あべのハルカス展望台。高さ300mなので、家の近くの東谷山(標高200m)よりも高い。
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 通天閣が、はるか下に見えます。

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 そういえば、エレベーターから降りたら、耳がポーンとなりました。気圧の変化が結構あります。(測定するのを忘れていました。残念)

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 高所恐怖症ではありませんが、この高さのタワーマンションには住みたくありません。

1227話 加藤健一事務所公演「パパ、I LOVE YOU!」 - 2019.11.15 Fri

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 腰痛に加え、各種外乱があり、感想が遅くなりましたが、先日、名演11月例会で、加藤健一事務所公演「パパ、I LOVE YOU!」を観ました。
 レイ・クーニー作、小田島雄志、小田島恒志訳、加藤健一演出です。


 病院の話です。上の絵の12時位置の男(原稿を持っている)医師のデーヴィッドが、多くの医学関係者を前に講演を行うため最後の準備をしているところから始まります。
約1時間半前ですが、まだ納得できる話にまとまっていない。

 そこへ、同僚のヒューバート(絵の6時の位置、コーヒーカップを持っている)が無駄に話しかけてきたりして進まない。

 さらに致命的なのは、元看護師のジェーン(3時の位置)が、とんでもない話を持ってきた。昔、デーヴィッドとの不倫でできた子供(短針に乗っかっている青年)が、病院に来て暴れているというのだ。

 デーヴィッドの晴れ舞台だというので、妻も母も病院に来ている。

 さて、ここから、ドタバタ劇が始まる。

 デーヴィッドが口先三寸で誤魔化すたびに、事態は混乱の方向へ・・・
 ネタバレしない範囲で言えば、婦長と息子とのやりとりに警官もからんでくるし、ボケ気味の患者もかき回しに参加。
時間は迫ってくる。どう考えても収束しようにないのだが・・・


感想)
 一般的な日本の喜劇よりも、笑わせるネタの密度が濃いように思います。濃すぎて、頭が変になりそうでした。

 ただ、プレゼンの直前に妨害が入るという設定は、以前の仕事が思い出されて、あっけらかんには笑えませんでした。笑いに痛みが伴いました。

 しかし、最終的には、ハッピーなのか、悲劇の始まりなのか、ともかくドタバタ爆笑劇を、きちんとまとめて終わらせたのは、作者、演出の腕力です。

 また、出演者のパワーと練達度が、これまたスゴイ!
これだけの密度の中で、噛んだりしたらぶち壊しですよね。これを観るかぎり、役者にはなりたくありません(なれないけどね)。


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デーヴィッド医師:加藤健一  ジェーン(元看護師・愛人):加藤 忍  
レズリー(隠し子):久留飛雄巳
ローズマリー(デーヴィッドの妻):日下由美

ヒューバート医師:清水明彦  ヒューバートの母:かんのひとみ  マイク医師:藤波瞬平

病院理事長:田代隆秀  婦長:頼経明子  患者のビル:石坂史郎  看護師:橘 杏

警官:辻 親八

1216話 劇団民藝公演「野の花ものがたり」 - 2019.09.22 Sun

 名演2019年9月例会で、劇団民藝公演「野の花ものがたり」を観ました。
 作:ふたくちつよし (徳永進「野の花通信」より)
 演出:中島裕一郎

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 徳永進さんは医師で、ホスピス「野の花診療所」で多くの末期患者を看取ってこられた経験から、何冊もの本を出しておられます。

 この演劇は、そのホスピスでの実話をベースに、命を終える人々と、それを支える人々の葛藤や苦しみ、安堵感などを表現していますが、宗教臭い押し付けはまったくありません。観客に、事実をまっすぐに紹介しているだけです。
 ですから、導入部は、振幅が小さく、居眠りしている観客もみられました。

 しかし、ベッドが空き、別の患者が入ってくるという繰り返しを見て、だんだんと、ここが終末医療の現場であることが肌で感じられるようになると、観客の反応が変わってきます。


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元気そうなオバちゃんが患者だったり、スタッフかと思っていたら、じつは作業を手伝う患者だったり、そして、ちょっと見かけないなと思ったときには、永遠のお別れが済んでいたり・・・


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 ホスピスから職場に通う末期ガンの研究者がいます(左)。 昇格したばかりでここに入り、ピリピリしている比較的若い患者も登場(右)。ピリピリ患者の腹立たしい動きが、状況を呑み込むにつれ柔らかくなってゆくのは、ドラマチックで、介護側の苦労もわかります。

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 放蕩爺さんが、死の間際に元妻に謝るシーン(左)は、新派のようで、私には泣けませんが、オバちゃんが「自宅近くのお地蔵さんの頭を撫でたい」という要望を受け入れるような看護師、院長の器と行動力には感動しました(右)。

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(開演前の舞台)(開演中は撮影禁止)半透明スクリーンは、開演中ほとんど上がっている。ベッドが多数。

 最後は、近くの川で行われる花火大会を、患者、スタッフ、(亡くなった人も)総出で見るというシーンでしたが、私の席(前から5番目)だけかもしれませんが、半透明スクリーンに映し出された花火の中に出演者がとけ込み、やがて人物が書き割りのようになり、闇となって消えるように見えました。これが意図した効果だとしたら、ほとんどマジックの世界です。効果的で、怖いぐらいでした。
(なお、このブログの写真は、最後の1枚を除き、民藝のパンフレットから、画像処理あり)

 今回のテーマは、私にとって、ひどく身近な問題になってしまいました。理由は、次回のブログで。

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dadebeso

Author:dadebeso
愛知県尾張東部在住. 宗教的なものではありませんが,場所の持つ力に関心があります.また,ものごとの起きるタイミングという意味での時の力にも関心があります.そのほか,落語,オーディオは,子供のころからの趣味です.

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